出来高は重要な指標
株取引を始めたばかりの方は、株価の動きを見る上で出来高なんて関係あるの?と思う人も多いかも知れません。「株は美人投票」と言われますが、「出来高」はその株の人気度を表します。どれだけの人、株数が売買されたかということです。
出来高急増の理由は、主に「買いの過熱」か「狼狽売り(投げ売り)」かの二通りに分けられ、反対に出来高減少は「株価が上がる材料も、下がる材料もない、気迷い」を表します。
この裏では、ヘッジファンドや仕手筋による仕掛けがされている場合も多いです。こういった大口の投資家、投機家たちは莫大な資金力を持つため、その気になれば株価を自由自在に操ることも可能です。また、こういった筋の真似事をする仕手もどきという小金持ちの投機家も存在します。
株価を自由に操れるということは、チャートを作れるということと一緒です。重要なのは始値と終値です。言ってしまえば、ザラバの取引等は自由にさせておき、ローソク足が決まる大引け30分程前から徐々に資金を入れ、理想のローソク足に導けるのだ。
まだまだ上昇する可能性のある株を「天井打ち」シグナルにすることも可能ですし、逆に「底打ち」シグナルとすることもできる。
好材料が無い出来高急増の買いに注意
出来高急増で買われる銘柄は市場で一気に目立ちます。個人投資家は「なんだろう?」「何か好材料出現か?」「大引け後に何か出るのか?」などと冷静さを見失い、便乗買いが更なる買いを呼び出来高が一気に急増していきます。しかし、引けてみれば「長い上髭」を付けていたり、翌日には「陰線」で大きく値下がりしていたりと、「一体この出来高を伴う上昇はなんだったの?」と疑問が残ります。
先に言いますと即刻、「売り」が正解となる場合がほとんどです。
ここ最近は、企業の不祥事(疑義含む)が多くでています。今回は、直近で目立った省電舎HD、トレイダーズHLDGS、ソルガム・ジャパンHDの3社の日足チャートを参考に見ていきましょう。
→ソルガムジャパンHDの日足チャート
丸で囲んだ2018年6月18日に出来高が前日の6倍以上に急増し、結果として上髭陰線を付けています。数日後に悪材料が出現し大暴落となっているのが分かります。
→省電舎HDの日足チャート
丸で囲んだ2018年4月10日に出来高が前日の3倍以上に急増し、結果として長上髭陽線を付けています。数日後に悪材料が出現し大暴落となっています。
→トレイダーズHLDGSのチャート
丸で囲んだ2018年6月4日に出来高が前日の7倍以上に急増し、結果として大陽線を形成したものの、翌日に大きく売り込まれています。
上のどの銘柄もこの出来高急増の株価上昇時において好材料が何も出現していません。そして、下落、横ばいを数日続けた後に悪材料が出現しています。
まとめ
出来高急増は、大きなエネルギーが動いた証である。新たな好材料も無いのに出来高を伴って一時的に上昇をした場合、買いで入っていた大口の投資家・投機家が売り抜けた場合が多い。逆にその銘柄についての新たな悪材料も無いのに、安値圏で出来高を伴って一時的に株価が下落した場合は、大口の投資家や投機家が買い入れた可能性が高い。
もちろん、ここで紹介した例は、すべてに当てはまるというわけではない。中には出来高を伴って高騰した大引け後に好材料が出現したなんてこともある。なので、本質を見極めるには最低2営業日の出来高とローソク足を確認したほうが確実性は増すかと思われる。
自分なりのルールで「現時点において好材料の出現がなく、出来高を伴って株価が上昇したら売り」などと設定しておくのも面白い。相場に必ずは無い。ただ、必要なのは「損失」の拡大を最小限に留めることだ。逆に上昇してしまったら「大損をするよりはマシ」と考えると良いだろう。
執筆:NYK M
執筆日:2018年6月29日
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